MRの方であればMR職の将来性について一度くらいは考えたことがあるかと思います。そこで今回はMR職の将来性に関して個人的な意見をまとめました。
ちなみに将来のことなんてタイムマシーンで未来に行かない限りわからないのであくまで予想であることをご理解いただければ幸いです。
Contents
将来性がある職業とは
まず「将来性がある」という言葉自体がかなり曖昧なので将来性がある職業の基準を僕の独断と偏見で決めました。
将来性がある職業の基準は以下の通りです。
- 同じ仕事内容で転職が自由にできる職業
- 需要があるのに人手不足な職業
- 替わる存在がなく絶対的に必要とされる職業
を全て満たしている職業が個人的には将来性がある職業だと思います。
ちなみに「MRは将来なくなるのかそれともなくならないのか」みたいな究極の2択ではあまりにもざっくりしすぎています。
ですのでより細かくMRの将来性について書いていきたいと思います。
同じ仕事内容で転職が自由にできる職業
例えば今いる会社を辞めたとしても同じ職業でたくさんの転職先がある場合や会社に雇用されなくても個人で独立して仕事を受注できるような職業は将来性があると言えるのではないでしょうか。
MRの場合同じ仕事内容の転職先にはコントラクトMRがあります。仮に製薬会社を辞めたとしてもコントラクトMRとして働くことは可能です。
ただ個人で仕事を受注することはできないので会社に雇われる必要はあります。
従って環境を選ばなければMRとして働き続けることはできます。

ここで製薬業界の今後について少し書いておきます。製薬会社は医薬品を売ることで利益を出しています。医薬品はいつの時代であっても絶対に必要なので製薬業界自体は安泰です。
ただ医薬品の開発が進んだので以前に比べると新薬を出しにくい状況になっています。それに伴い製薬会社が利益を出すことは以前に比べて難しくなってきていることは間違いないと思います。(例えば高血圧の領域はもう開拓済みです)
ですがアンメットメディカルニーズはまだまだたくさんあるので今後も製薬会社は医薬品を開発して利益を出していくことは可能です。(新薬開発の難易度は以前よりも高いですが・・・)
しかも医薬品は利益率がかなり高いです。
だから製薬業界は以前に比べると厳しくはなっているものの製薬会社は今後も利益を出していけるのでそこで働くMRのニーズもあります。
ですので同じ仕事内容で転職が自由にできる点(コントラクトMRを含む)においてはMRの将来性はあるということになります。
需要があるのに人手不足な職業
例えばエンジニアはかなり需要があるにも関わらず人手不足の職業と言われています。ですので一人前のスキルを持ったエンジニアはかなり重宝されます。
一方でMRはどうでしょうか。一人前のスキルを持ったMRの需要はどの程度あるのでしょうか。MR職は人手不足な職業でしょうか。
答えは「MRの需要は普通で人手不足ではない」になります。MR職がなくなると製薬会社や医療機関は困ってしまうのでMR職の需要はあります。
ただMR職は人手不足ではありせん。むしろ多すぎるくらいですね。多すぎるから実際にMR職の早期退職が行われています。
▼MR職の早期退職に関してはこちらを参考にしてください。
また仮に高いスキルを身に付けたMRだとしても今より待遇がいい他の製薬会社に転職できるわけではありません。(エンジニアだったらスキルを磨けばより待遇がいい会社に転職できる)
MRはあくまで雇用する製薬会社あっての存在です。だからいくら高いスキルを持ったMRであっても雇う製薬会社がなければ成り立ちません。(現状求人が少ないため他メーカーへの転職は難しい。)
もし仮にコントラクトMRの待遇がめちゃめちゃ良ければそこを目指してMRスキルをたくさん身に着ける価値はあると思います。
ただ実際にはコントラクトMRは製薬会社MRよりは人気がありません。
なぜならば「めっちゃコントラクトMRになりたい」と思ってコントラクトMRに転職するというよりは自分の希望を叶えるため(勤務地や担当領域など)に少し妥協してコントラクトMRとして働く道を選んだ人の方が実際多いからです。
従ってMRとして高いスキルを身に付けたところで今よりもいい環境で働くことができるわけではありません。(製薬会社MRの中途採用の求人はほぼないです)
どちらかというと今いる会社で働き続けるためにMRとしてスキルを身に付けて実績を出しているという感じです。
ですのでMR職の需要はある程度ありますが人手不足ではないのでこの点においては将来性がかなりあるとは言い難いですね。普通くらいだと思います。
替わる存在がなく絶対的に必要とされる職業
MRに替わる存在はいくつかあります。具体的には製薬会社の相談センターやインターネットやエムスリーのコンテンツなどです。
ただそれらが完璧にMRの代わりを努めることができるかと言われるとそんなことはないと思います。
治療方法がまだ確立していない領域や新薬が発売するタイミングではMRの存在は医療機関と製薬会社の両者とも必要です。
▼MRが必要な時に関してはこちらを参考にしてください
ですので完璧にMRに替わる存在は今のところないですしある分野においてはMRは必要とされているのでこの点においては将来性があるということになります。
MRを雇いたい会社があるかどうかが大切
結局のところMRを雇いたいという会社があればOKなわけです。
別に医療機関などに「MRはいらない」的なことを言われてもMRを雇いたいという製薬会社があれば問題ありません。(ちなみに全ての医師や全てのシチュエーションでMRがいらないということは考えにくいです)
従って製薬会社側にMRを雇うメリットがあればMRは雇われますし製薬会社側にMRを雇うメリットがなければMRは雇われないだけです。
現状会社はMRを雇うメリットがあるからMRを雇用しているわけです。
例えば外から見れば「あんなにたくさんの店員はいらないのではないか」と思うお店があったとします。しかしお店のオーナーにとっては必要だから店員を雇っているわけです。
だから医療機関の評価も大事ですがMRを雇用している製薬会社の評価の方が大事になります。MRを雇用しているのは医療機関ではなく製薬会社です。
MRの将来性は勤務している会社に依存する
以前のように製薬会社間で転職ができれば別に今いる会社に依存する必要はありませんでした。
しかし今は転職で他の製薬会社に移動することは求人が少ないためかなり難しいですし全ての製薬会社で中途採用を行なっているわけではないので働きたい製薬会社に転職できるわけではありません。
ですので今所属している製薬会社がMRをどの程度必要としているかということとMRを雇うだけの利益を確保できているかが大切です。
売上好調の製薬会社に所属
売上好調の製薬会社でも早期退職を行いMR数を減らしている会社もあるので会社の業績がいいから安泰というわけではありません。
ただ会社の業績はいいわけですから会社にとって必要な存在であれば働き続けることができます。
今後利益の確保が難しい可能性が高い製薬会社に所属
利益を確保できなければ製薬会社はMRを雇うことができなくなるので今後早期退職を実施する可能性はあります。仮に早期退職はなかったとしても待遇が悪くなる可能性はあります。(日当、家賃補助などは減る可能性はあります)
このケースでは仮に会社が必要としている存在であっても利益の関係で雇用そのものが難しい可能性があります。
ですのでMRレベルが高くても会社の業績によってはどうなるかわかりません。
会社に利益をもたらしてくれる人は重宝される
自分の会社にすごく貢献してくれる人であれば会社は働きやすい環境を提供し給料を多く支払います。
これが顕著な例は予備校業界です。
人気がある予備校教師は労働時間は少ないのに給料はめちゃめちゃ高いです。
そこでなぜこんな現象が起きるのかというと予備校が利益を出すためには実力がある講師が必要不可欠だからです。
そして人気講師の代わりはほとんどいないのでさらに希少価値は上がります。
一方でMRはどうでしょうか。たくさん給料を払ってでも引き留めたいMRは何人いるでしょうか。また代わりがいないくらい唯一無二のMRは何人いるのでしょうか。
この答えは特別なスキルを持ったMRは本当に極一部ですし代わりはたくさんいます。
代わりがいるということは会社は簡単に退職を勧めてきます。(早期退職)
従ってMRのレベルによっても将来性は変わってくるということが言えます。
当たり前ですが売り上げを伸ばす力のあるMRといてもいなくても変わらないようなMRとでは将来性は雲泥の差です。
将来性のあるMRになるために
「勤務している製薬会社や個人のMRレベルによってMRの将来性は違う」とここまで書いてきました。
勤務先に関しては仕方がありませんがMRレベルは今後の過ごし方次第でいくらでもあげることができます。
▼将来性がある製薬会社に関してはこちらを参考にしてください。
将来性がない会社にいるMR
何かあった時に備えていつでも転職できるように準備しておくことが大切です。
将来性がある会社にいるMR
頑張ってMRスキルを磨いて実績を出して会社に自分が有能な存在であると認めさせることが重要です。
▼MR営業のコツに関してはこちらの記事を参考にしてください。
また社内のコネクションも築いておくといいですね。
いくら優秀なMRであっても雇用するのは会社なので社内の評価を上げておくことは重要です。
▼MR職を長く続けるためにすべきことに関してはこちらを参考にしてください。