医師がMR以外から薬の情報を入手する方法を考えてみた




訪問規制やMR数の減少というワードを最近よく耳にします。ただまだまだ薬の普及にはMRの存在は不可欠です。

そこで今回はMR数の減少について少し触れた後に医師がMR以外から情報を入手する方法を考えていきたいと思います。

企業別に見ればMR数が増えている会社もある

MRの総数が減っているというのは業界全体の話であって中にはわずかですがMR数が増えている会社もあります。

 

MR数を増やすということは以下のことが考えられます。

MR増員の要素

  • 有望な新薬が発売するため
  • 利益が出てきたのでMRを増やすことができる
  • 新たな領域に参入するため

他にもありますが大まかに分けるとこんな感じでしょうか。

有望な新薬が発売するため

これはご想像通り新薬が発売するため人数を増やす必要があるということです。

 

新薬を早く普及させるためには人数を増やしてマンパワーを増やすというのが一番良い方法です。

 

そのため有望な新薬の発売が控えている会社はMRの募集も多いです。

利益が出てきたのでMRを増やすことができる

これは既存品の売り上げが好調であるため一人一人の仕事量の軽減を目的とした増員と言えるでしょう。

 

エリアが狭くなれば一施設あたりにかけられる時間も増えるためよりきめ細やかな対応ができるようになります。

 

売り上げが好調な会社はMRの募集も多いです。

新たな領域に参入するため

これは専門部隊を結成するための募集です。

 

領域別のMRに分かれている会社も増えてきており新しい領域に参入する際にMR数を増員する必要があります。

 

特に募集領域の経験者は優遇されることが多いです。

 

新しい領域に参入するのは難しいことですが経験豊富なMRがいればそのハードルは下がります。(オンコロジーMRの募集が多い)

MRと面会しない医師はどこから情報を手に入れているのか

MRとの面会を以前よりも少し減らしている先生もここ最近増えてきています。

 

さらにMRとは一切面会しないという先生も一定数いらっしゃいます。

 

そこでMRと面会しない先生はどのようにして薬の情報を入手しているのかという疑問が湧きますよね。

 

僕も気になったので調べてみました。

MRと面会しない先生の情報の入手方法

  • インターネット
  • 学会
  • 文献
  • 他の医師から
  • SNS
  • 動画
  • メール
  • 情報誌
  • 電話

有名なものからマイナーなものまでありますがMR以外ではこのくらいは情報を入手する方法があります。

インターネット

一番はインターネットだと思われます。

 

製薬会社のパンフレットなどの情報は基本的に製薬会社のホームページに載っています。

 

ですので製品について知りたい情報があれば製薬会社のホームページにアクセスすることによって知ることができます。

学会

学会は全国から医師が集まり最新の研究結果を発表する会ですので情報の宝庫です。

 

MRも学会に行って勉強しますが先生も学会に行き情報を入手します。

文献

気になる内容の文献があるかどうかを調べて内容も読むことができます。

 

文献の情報はピンポイントで研究されているものが多いため薬のパンフレットに記載されている情報よりもより実臨床に応用できる情報が多いのが特徴です。

他の医師から

先生は他の先生とも知り合いであることが多いので先生同士で情報交換をしています。

 

医学部時代の同級生や先輩など知り合いは多いのでここから情報を入手する場合も多いです。

SNS

医師限定のSNSなどもあり先生同士がコニュミーションできるようなシステムもあります。

 

ここから情報を入手することもできます。

 

オピニオンドクターと呼ばれる専門医も参加していて専門の先生に直接質問できたりもします。

動画

これは動画を視聴して情報を入手するということです。

 

医師向けに製薬会社と連携して動画を作成している企業もありますので先生も見たい時に見れる利便性の高さから動画コンテンツは注目されています。

メール

これも動画と似ていてメールで情報を入手することができます。

情報誌

これは製薬会社が発行するパンフレットとは違って論文などからピックアップした情報を掲載しているものです。

 

情報誌が多くの医師に受け入れられている理由はフラットな情報が載っているという点です。

 

製薬会社が発行するパンフレットというのはほとんどが自社製品を中心としたものに対してこの情報誌は様々なメーカーの情報を掲載しているのでメーカーでの偏りがないフラットな情報かつ情報量が多いというメリットがあります。

電話

製薬会社には電話相談窓口があります。

 

薬に関しての疑問があった場合電話相談をすることができます。

 

自分で探すのは少し大変という方はこちらの電話相談を利用するケースがあります。

営業されるのが嫌な先生はMRには会わない

MRは営業食なので自社製品のPRをほぼ必ずします。

 

営業されるのが嫌な先生はMRとは会わないという考えになるのだと思います。

 

また人に会うと情が入るのでそれも避けたいという場合もMRとは面会しないのかもしれません。

 

何回も会うと自然と仲良くなってしまうのが人です。

接待が規制されたのも大きい

飲食をしながらメーカーと話すことを楽しみにされていた先生が多いのも事実です。

 

そこで接待が規制されたことによってメーカーと先生との距離が遠くなってしまったということが考えられます。

 

これを狙って接待に規制をかけたので当然といえば当然ですけどね。

MRのスタイルは変わっている

昔はMRが営業しないと薬が普及しませんでした。理由は今ほど普及させる手段がなかったためです。

 

しかし現在はMRが薬の普及をさせなくても他の方法で普及させることができてしまうという点営業の活動の幅が接待の規制により狭まったという点を考えると薬を普及させる手段は増えました。

 

それに加えて製薬会社の利益確保が厳しくなってきています。

 

だから会社がMR数を減らそうとすると給料の高い世代が一番の対象となります。

 

会社の中核をなすポジションにいる人は減らすことはできないので特にポジションにもついていないベテラン社員は早期退職の一番のターゲットになります。

 

それが今現在起きていることです。

 

様々な要因から多くの先発メーカーは利益を確保することが以前より難しくなっているのでMRを減らして会社の経営を維持しようとします。

 

また以前に比べて市場も飽和状態なので似た薬が多くなってきています。

 

僕が以前先生から言われたのは似たような薬は3剤か4剤で十分という意見です。(DPP-4阻害薬は種類が多すぎる)

 

似たような薬がここまで多く発売されているというのはそれだけ市場が飽和しているということの現れです。

 

アンメットメディカルニーズの薬を開発することが大切ではありますが開発がやはり大変なんですよね。

製薬会社は今後どうなるのか-将来性について考えてみます-

2017年10月2日

これからMRに求められることとは

この厳しい現状の中でMRに求められることはMRを頼りにしている先生に貢献することだと思います。

 

MRをあまり頼りにしていない先生もいらっしゃいますが「MRから情報提供して欲しい」とか「MRの提案を聞きたい」とかって少しでも思ってくれている先生に対しては「参考になった」と言ってもらえるようにMR活動をしていく必要があると思います。

 

人に直接聞きたいことって絶対あると思います。

 

時には雑談や薬とは直接関係ないことからでも新しい発見はあります。

 

先生に新しい発見をしてもらうためにもMRが必要な時はありますし自分では内心よくないと思った提案でも結果的に良かったと言って頂ける先生にも僕は会ったことがあります。

MRが必要な時について考えてみます

2018年1月10日

まとめ

薬がある限り製薬会社は無くなりません。だから、医療業界は安定な方に入ると思います。しかし、利益の確保が以前よりも難しくなっていることは事実としてあります。MRに求められるレベルも年々高くなっているということは間違いないと思いますね。

お疲れ様でした。長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。ばーい。




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