MRの将来性というテーマで今回は書いていこうと思います。
MRに関しての様々なネガティブニュースがあるのでMRの将来性について疑問に思っている現役MRの方も多いと思います。
結論から書くとはMRの将来性は普通です。というのも過去の製薬業界は良すぎました。
それが現在は他の業界と同じくらいになったという解釈を僕はしています。
悪いことが重なるとどうしても「このままいったらどうなるのか」と心配になるのは普通のことです。
実際に現在のMRに関するニュースにはあまり明るいものがありません。
具体的には
- 早期退職
- 訪問規制
- MR活動の規制
- ジェネリックへの移行
など
これらの記事を見てしまうとMRの将来は明るくないと思ってしまいますよね。
Contents
MR数の推移からみる
MR数の推移ですが確かに少しずつ減っています。ただ下がり幅はそこまで大きくないので大して問題ではないです。
訪問規制が厳しいのでそんなにたくさんのMRはいらないから数を減らしているだけです。
MRという存在が不要だから減らしているのではなく少ない人数でも対応できるから減らしていると考えた方が自然かなと思います。
また以前に比べてMRから情報を入手する手段も増えました。具体的にはSNS、ホームページ、映像コンテンツです。
MR君でお馴染みのm3なんかはかなりシェアを伸ばしていますよね。ただ現状の減少率をみるとMRがゼロになる可能性は低いですね。
MRを雇用しているのは製薬会社である
MRは製薬会社に勤めている社員なので雇用については所属している製薬会社の業績に依存する部分があります。
所属している製薬会社の業績が良ければMRは雇用され続けますし業績が悪ければカットされる可能性はあります。
この現象は別に製薬会社に限ったことではなくてどの業界の会社でも同じことが言えます。
会社の業績が良ければ人を雇えるし悪ければ人を雇うことができません。
製薬業界は以前よりも利益の確保が難しくなってきているので必要最低限の社員しか雇うことができなくなっています。
なぜ利益の確保が難しくなってきているのかに関してはこちらも参考にしてください。
早期退職から考えてみる
製薬会社で早期退職が実施されていることとMRの将来性がないことはそこまで関係ないのではないかと思います。
仮にMRの将来性がないのであれば新卒は取らないですよね。
いずれMRをなくす方針であれば新卒をとる必要はあまりないですよね。
しかも早期退職の対象年齢は45歳前後です。だから闇雲にMRを減らしているわけではないということです。
45歳だと昇格している人と昇格していない人に大きく別れます。
MRの場合昇格すると大体営業所長になります。営業所長になることができる年齢ですが早いと30代後半で普通にいくと40代前半です。
従って45歳という年齢は会社から評価されていれば管理職になっている年齢です。
45歳で管理職になれていないということは会社から良くない評価を受けている可能性が高いです。
MRの中には昇格とか興味なくて必要最低限の仕事だけをこなして一定の給料をもらえればいいという考え方を持った社員も一定数います。
このような考え方のMRを製薬会社としては早期退職のターゲットにします。管理職についていなくても年齢が高ければ会社はある程度の給料を払います。
生産性が悪いMRに高い給料を支払うことは会社としては避けたいですよね。
MRの将来性は結局所属している製薬会社による
MRの将来性は結局のところMRが所属している製薬会社の将来性に依存します。
製薬会社がMRを必要と考えればMRという職業はあり続けますしMRを配置することのメリットがなくなればMRという職業は無くなります。
現状MRを配置するメリットが大きいのでMRという職業が成り立っているわけですね。
営業部門はある程度利益が出ていればどの業界のメーカーでもあるので会社が利益を確保できているうちはMRはあり続けるというのが僕の考えです。
いくら医療機関がMRを必要に感じたとしても製薬会社の利益の確保が難しくなれば会社がMRを雇えなくなるのでMRはなくなっていきますよね。
飲食店を例にすると美味しい食べ物屋さんが近所にあったとしても経営がうまくいっていなければなくなってしまいますよね。
MRも同じで製薬会社の業績次第です。
業界全体のMRの将来性は厳しい
ひと昔前は製薬業界がとても潤っていたので他の製薬会社に転職することが比較的簡単でした。
だから以前は会社を移動してもMRとして働き続けることが比較的容易でした。
僕がMRをやっていた頃も「〇〇製薬から転職したんだよね」と話す先輩は多くいらっしゃいました。
ただ現在では中途採用のMRの求人は本当に少ないです。
だから今所属している製薬会社の経営が傾いた際に他の製薬会社に転職したいと思ってもできないケースもあります。(今後生き残れる製薬会社は新薬の開発力がある会社です。)
もしくは何らかの理由で製薬会社を退職することになった場合他の製薬会社でMRという仕事を続けていくことは難しいです。(早期退職など)
現在の経験者MRの求人状況を確認してみるとオンコロジーMR、オーファンドラッグMR、バイオMRの募集は少しあります。プライマリーMRの募集は本当にわずかです。
年々MRの中途採用の求人は減っているので今後も減ることが予想できます。
従って、現状ではオンコロジーMR、オーファンドラッグMR、バイオMRは会社を移動してもMRとして働き続けることが可能(優秀なMRに限る)です。
しかし今後はこれらの比較的需要の高いMRの求人もあるかどうかは正直わかりません。これから先MRの中途採用の求人が増えることは考えにくいですね。
プライマリーMRに関しては現状では本当に狭き門(優秀であっても求人があまりない)で今後も求人が増えることはおそらくないと思います。
このように経験者MRの中途採用の求人は少ないので現在所属している製薬会社で定年までMRとして働き続けることができるのであれば将来は大丈夫ということになります。
ただ早期退職を実施している製薬会社がここ最近増えているので今後生き残れる製薬会社に所属していても定年までずっとMRとして働き続けることができるのかどうかを不安に思う現役MRが増えているのではないでしょうか。
やはり製薬会社も会社という組織なので社内での評価というのもすごく大切になります。会社が必要と判断すれば早期退職の対象にはもちろんならないです。
今後生き残れる製薬会社に所属しているMRは結果を残すことが大切
この先も生き残れる製薬会社に所属しているMRの方はMRの将来性を心配することよりもまずはMRとして結果を残すことに注力した方がいいと思います。
MRとして結果を残していれば早期退職は回避できますしMR以外の職業に転職することもできます。(医療系の仕事が多いですね)
さらに本社勤務の選択肢も増えます。(本社の中枢はMRとして優秀な成績を残した人が多い)
MRとして結果を残すことと同時に将来のことを少し考えてもいいと思います。具体的には資金を貯蓄したり個人で稼ぐ方法を調べてみるなどです。
個人で稼ぐことができれば会社に依存することなく生活できるので無駄な飲み会や付き合いはなるべく断って空いた時間に色々勉強するのがいいと思います。
どの会社が今後生き残れるかに関しては各会社の細かいパイプラインまでは僕も把握しきれていないのでわかりません。所属しているMRの方が内部事情には詳しいと思います。
自分の所属している製薬会社の将来性の調べ方に関してはこちらを参考してください。この記事では将来性を調べた後にすべきことも解説しています。
MRがいない世界を考えてみる
もし仮にMRという職業がなくった場合どうなるのかについて考えてみます。(ほぼないと思いますが)
MRという職業がなくなったとしても製薬会社が存続するのは間違いありません。従って製薬会社に勤める人は一定数います。
またMRを廃止する場合は一斉に廃止しないとめんどくさいことが起こります。具体的には残ったMRの負担がかなり大きくなってしまいます。
だからもし仮にMRを廃止する場合は業界全体で一気にMRを廃止する可能性が高いです。
似たような薬が多い領域ではMRがいることで会社の売り上げは上がるので他のメーカーがMRを配置しているのに自分の会社だけMRを配置しないということは考えにくいですよね。
よって一つ目の結論はもし仮にMRが廃止される場合一括で廃止されることになるでしょう。
続いてもし仮にMRが廃止された場合どうなるのかを考えていきます。製薬会社は薬の情報を提供する電話窓口を代わりに設置します。
今もありますけどね。その規模がおそらく拡大します。
さらにホームページを充実させることにより医療関係者が必要な情報を調べられるように対応します。
これで大体MRの情報提供の部分は補うことができます。ただ医療関係者への負担はかなりかかることになります。MRに聞けば1発ですからね。
講演会に関しては製薬会社の本社が企画運営することになります。今でもやっていますが。問題となるのは集客です。
これに関してはメールで案内したりホームページに記載することで案内することもできます。
講演会数を大幅に減らしてある程度集客が見込める場合でないと開催しないといった形です。
こんな形で代用は一応できなくはないですね。とはいえMRがいなくなるとすごく不便になるのでMRがなくなるのはやはり考えにくいですね。
最後に問題となるのがMRの営業としての機能の代用です。MRは営業職なので売り上げを上げることも大事な仕事です。
これに関してはおそらくMSが代用するのかなと思います。今でもMSが薬のPRをするケースがありますよね。
基本的には政策の達成状況に応じて製薬会社からフィが発生するのでMSは動くわけですがこのフィが爆上がりします。
MRの営業としての役割をほぼMSに委託するような形ですね。ただこのMSへの営業委託はおそらく無理です。
こんなことしたらMSの仕事が増えすぎますしそれこそ医薬品の適正使用の促進が困難になります。
だから最終的な結論としてはMRをなくすことは難しいんですよね。
MRの全てを代用することは難しいのでMRの人数はこの先減ったとしてもなくなることはないというのが僕が出した結論になります。
僕がMRを辞める時に担当している先生に辞める旨を伝えるととても残念に思って頂けた先生も中にはいました。
理由を聞くと僕からの情報提供がなくなってしまうこともちろんありますが一人の人として評価して頂けた部分もありました。
僕と話すことや僕が訪問すること自体にすごく価値を感じて頂けたみたいです。もちろん一部の先生からです。こんな感じでMRがいれば先生側にも何らかのメリットはあるみたいです。
MRは元々コミュニケーション能力が高い人が多いですし人して魅力がある人が多い気がします。従ってMRがいることは確実に先生側にはメリットがあると思います。
この先MRを続けていくには実力をつけることが大事
少数精鋭になりつつあるMRなのでこの先も今所属している製薬会社(今後生き残れるのが前提)のMRとして働いていくためには必要なスキル(結果を残すための)をしっかり身につけておく必要があります。
僕が確実にMRに必要だと思うスキルは
- 製品の特性を偽りなく伝える力
- 身につけた知識から必要な知識を引き出す力
- 相手の悩みや不安をしっかり聞いて正しく理解する力
- 相手が言葉に出さなくてもヒアリングから相手の状況を読み取り適切な提案をする力(ないときは無理に提案しなくも良い)
- 相手を不快にさせない力
です。
他にも色々あると思いますが僕が大切だと思っているのはこの5つです。(プレゼン能力、学術知識、講演会の企画力、文献検索等は有名なので省いていますがこれらも必要です。)
なんとなく面会するのではなくて一回一回考えて面会していけば確実にMRとして成長することはできると思います。
繰り返しにはなってしまいますがMRとしての実力をつけるというのが今できる行動なのかなと思います。
最後に
今後生き残れるのかわからない製薬会社に所属している場合、いずれは転職しなければならない時が来るかもしれません。(どうなるのかはわかりません)
ただ繰り返しになってしまいますが中途採用で他メーカーのMRに転職するのは結構大変だということは事実として知っておくといいと思います。(大変だけど不可能ではないです)
そこで一番避けなければならない状況は45歳くらいになって会社の経営が傾いてしまい転職するしかない状況に遭遇することです。
他でも通用するスキルがあれば45歳くらいでも転職には困らないと思いますが、特に何もない場合、厳しい状況になります。
実際に20代でMRの将来性に不安を感じて転職したMRは一定数います。
20代であればそこまですごいスキルがなくてもポテンシャル採用で雇ってもらえるので幅広く転職することは可能です。
ただ将来のことはあくまで推測に過ぎないのでMRから転職する必要はないかもしれません。
だから後で自分が後悔しないような選択をするのが個人的にはいいと思います。
コメントを残す