MR営業の規制はだんだんと厳しくなっていますので「MRの働き方は今後どうなるのかな」と思っている方も多いと思います。そこで今回は過去のMRの規制を振り返りつつ今後のMRの働き方について書いてみました。
Contents
過去のMR営業の規制
話題になったのは以下の通りです。
- 接待の規制
- ギミック(販促品)の禁止
- 説明会の弁当の厳格化
- 情報提供の厳格化
接待の規制
やはり一番大きかったのが接待の規制です。接待は営業効果としては抜群でしたのでこれが規制されてしまったことはMRの営業スタイルに影響をかなり与えたと思います。
ギミック(販促品)の禁止
ティッシュや付箋などの事務用品に会社の名前や製品名をプリントして配るのがギミックの提供ですが意外と効果がありました。
説明会の弁当の厳格化
説明会に参加していない人の分まで弁当提供をするのはよくないということで芳名帳などの提出を求めるようになりました。
情報提供の厳格化
こちらは年々厳しくなっており基本的には添付文書に基づく情報提供をMRはするべきとなっております。
規制の方向性
これらの規制からわかることは「医薬品の適正使用を促すことを第一に考えている」ということです。
- 接待するから自社製品を使ってください。
- ギミック渡すので自社製品を使ってください。
- 弁当を余分に渡すので自社製品を使ってください。
これらは医薬品の適正使用を促すことにならないので規制されたと考えられます。
また情報提供も医薬品の適正使用を促さないと捉えられてしまうものは規制されたと考えられます。
これらの規制の背景には製薬会社がやりすぎたことが関係していると思われます。
派手すぎる接待、過剰すぎるギミックや弁当の提供、データの改ざんなど許容を超えたことを製薬会社がしてしまったため規制が入ったのではないかと予想されます。
今後も医薬品の適正使用を促すことでないと判断されれば規制がさらに入る可能性が高いと思います。
例えば説明会時の弁当提供は相手のお昼休憩の貴重なお時間を頂いてるのでお弁当を提供してもいいということになっております。従ってメインはもちろん情報提供です。これが弁当提供がメインみたいに捉えられてしまうと弁当提供の規制が入る可能性が考えられます。
規制がありすぎてMRがやれることは少なくなっているが
確かに以前に比べてルールが厳しくなってしまったのでかなり営業の自由さは減りました。
この規制が強くなったことから「MRができることはだんだん少なくなっているからMRって不要じゃないか」と囁かれてしまいますが先生と面会ができる限りなんとかなると思いますのでMR職は存在し続けると思います。
規制が厳しくなった影響
たくさん接待してくれた会社の薬を使う行為やたくさん使ったので接待する行為などは医薬品の適正使用を促していないので規制が入っても仕方がないと思います。
ただ関係性の構築目的での接待(接待することよる処方をしない)は面会をスムーズにする効果が期待できますのでこれが規制されたのは痛いと思います。
確かに接待をする以上使ってもらう目的も入ってしまうのでやむを得ないと思います。
また規制が厳しくなったということは使ってみたら意外といいみたいなラッキーも制限してしまったことになります。
あまりよくない薬を接待攻勢で使ってもらうのはもちろんよくないですが使ってみたらわかる薬(ちょっと癖はあるけどいい薬)を普及させるチャンスを減らしたのは残念ですね。
製品力が顕著に出る
MRの営業が規制されることによって製品力が売上に直結することが考えられます。
以前は営業力も売上に関係していましたが規制が強くなった影響で営業力が仮にあっても全てを発揮することが難しくなっているので営業力よりは製品力が売上に影響すると考えられます。
従って製品力のある薬を開発できる会社とできない会社では差がますます開くことが予想されます。
医療機関側の理解も必要
薬の適正使用の普及には先生も理解も必要だと思います。
- MRの評価ではなく薬の評価で使用を決める
- 製薬会社に無理を要求しない
MRの評価ではなく薬の評価で使用を決める
MRが熱心だから使うとかはなるべくやらないであくまで薬の評価で処方するような環境を目指しているのでしょうがなかなか難しいですよね。
この理由は明らかに他と比べてよければMRの評価なんて関係なしに薬は使われますが似ている場合どうしてもMRの評価になってしまいます。
実際に似ている薬は数多くありますので薬の評価だけで決めるのは難しいケースもあります。
製薬会社に無理を要求しない
「薬がめっちゃ良くてたくさん使っているのだから恩恵は何かないのか」みたいな要求をする医療機関は一定数あります。
例えば電気屋に行って「これから一人暮らしをするので家電を一括購入するから少しは値引きしろ」みたいなものです。
電気屋の値引きは電気屋の判断で決めることができますがMRの場合したくても規制が入っているからできないわけです。
たくさん使って頂いているので1箱サービスしますみたいなことも今はできません。
まとめるとMRにたかることは今は基本的にはできないと医療機関側も理解する必要があると思います。
MRの予算も規制?
売上による評価がメインだとMRは薬を売るために医薬品の適正使用を逸脱した活動に走る場合も考えられます。
従ってMRの評価も売上ではなく行動面をメインにした方がいいという意見もありますのでMRの予算の規制ももしかしたらこの先あるのかもしれません。
まとめ
医薬品の適正使用を促すという軸で規制されているのが現状だと思います。規制が厳しくなればそれに対応していろんな部分が変わってきます。
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