OPD(one patient detail)とは患者さん一人一人にあったディティールをするということです。
先生と話し込む際に数多くいらっしゃる患者さんの中の一人を対象として行うディティール方法です。
今回はこれについて解説します。
Contents
1.OPDのメリット
OPDを行うメリットは話し込みができることです。
一人の患者さんを対象として話し込むので営業的な要素が少なくなり相手のことを知ることができるのではないかと思ってます。
そして、相手の悩みや実臨床における問題などを知ることで相手のニーズを浮き彫りにさせることができます。
従って営業する上でのリサーチに役立つのがこのOPDではないかと思います。
なかなかリサーチって何も考えずにやろうとすると難しいです。
相手も質問されただけでは答えに困ってしまうこともあります。
そこで、このOPDは実際の患者さんを中心に話し込むので具体的な答えを頂きやすいです。
2.OPDのデメリット
デメリットについて考えてみようと思います。
まずデメリットとして挙げられるのが、時間がかかるということです。
そして、相手と長い時間話せる関係性にあるということも条件となります。
患者さんが多い得意先というのは長い時間話すことがそもそも難しいのでOPDを実践するには前もってアポイントを頂いた方がいいと思います。
僕の経験ではOPDを実践するための準備がとても大変です。
3.相手のニーズは本当にないのか
仮に準備段階で、Dr.に「別にそんなこと(OPD)をする必要はない」と言われたと仮定してみます。
すんなりといかないのが営業です。
断られた際のことも事前に考えておくと次の行動がとりやすいと思います。
OPDを断られる理由で考えられること
- 本当に困ってない
- 困ってはいるが話したところで解決しないと思っている
- 話したくない
僕の中では大きくこの3つに分けらると思います。
3-1.本当に困ってない
本当に診療で困っていないためOPDのニーズがないということもあると思います。
今の診療で十分であるということですね。
医療も発展してたくさんの有効な薬剤が発売されてますのでこのような状況も多いと思います。
安定な状況を変えるということは本当に難しいことです。
というか変える必要がありません。
うまくいっているのであれば医者は診療について大きくは変えません。
ここで重要なことがあります。
それは自社製品がその診療に組み込まれているのかどうかです。
組み込まれているのであれば特に問題はありませんが、組み込まれていない場合は営業としてはこのままではまずいですよね。
安定な状況にあり自社製品が診療に組み込まれていないということは完全にアウトです。
しかし、このようなケースこそOPDを実践するべきだと僕は思います。
安定な状況から自社製品を診療に組み込んでもらうには現在使用している製品と同じ点を訴求しつつ少しのメリットを紹介する方法が有効です。
相手も似たような製品であれば使い方も現在使用しているものと似ているのでここにかかる負担は少ないですし、さらに少しのメリットがあれば変える理由にもなります。
安定な状況ならばその安定を維持したまま乗り換えるように営業していくのが一番有効だと思います。
例えば、携帯電話も電話番号が変わらなければ他のキャリアに乗り換えても問題ないという人は多くいらっしゃると思います。
現在の状況を維持したまま少しのメリットを提供できれば自社製品を診療に組み込んでもらえるチャンスがあります。
だから、相手の安定な状況を知るためにOPDを実施することを僕はお勧めします。
3-2.困ってはいるが話したところで解決しないと思っている
これは相手の問題が深刻すぎる場合です。
とはいえ話して頂かないことには解決する方法を考えることができません。
仮に話して頂いても何も提案できない場合も多くあると思います。
そこでこのようなケースでは話して頂くことを目的とします。
こちらは聞くことに専念します。
今は解決できなかったとしても時間をかければ解決することができる場合もありますので、話してもらえるように関係性の構築に努めてください。
その際に有効なことはできる営業マンということをさりげなくアピールすることです。
この人ならもしかしたら解決してもらえるかもと相手に思ってもらわないといけないので製品を営業するというよりは自分をアピールします。
3-3.話したくない
これも多いと思います。
そもそもMRに自分の診療における問題を話すことに抵抗がある先生もいらっしゃると思います。
なんでメーカーにそんなことを話さなければいけないのかということです。
聞き方もあると思いますが、どんなにうまい聞き方をしたとしても話したくないという考えでは厳しいですね。
従って、OPDを実施するのは控えた方がいいと思います。
理由はどうであれ話したくないということが感じ取れた場合は手を引いた方が無難です。
4.仮想症例で検討する
簡単に実践できるOPDの中に仮想症例を検討するというやり方があります。
今まで書いてきたのは実際の患者さんを対象にOPDを実施するということです。
それに対して仮想症例とは架空の患者さんということです。
こちら側が設定した患者さんを対象にすれば先生に協力してもらいやすいです。
ただし、あくまで仮想ということを忘れないでください。似たような患者さんはいるかと思いますが、全く同じような設定は難しいです。
あくまで仮想症例での話ということになりますので、診療について多少知ることはできたとしても実際の問題や悩みについては知ることができるかどうかはわからないということです。
これを機に実際の患者さんを対象としてのOPDを実践するのもいいと思います。
従って一つの方法として参考にしてみてください。
5.まとめ
製品を営業する上でリサーチは不可欠です。このOPDはリサーチには有効な手段ですので実践できる際には実践してみてくださいね。リサーチできたら営業に繋げてみてください。最後まで読んで頂きましてありがとうございました。ばーい。
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