今回はMRが説明会時に提供することができる弁当について僕なりの考えを書いていこうと思います。
Contents
弁当提供のルールについて
そもそもどんな時に弁当を提供することができるのかというと
- 食事の時間と被る説明会
- 食事の時間と被る講演会
大きく分けるとこの2つです。この中でも色々と意見が分かれるのが説明会の弁当の提供です。
説明会の弁当であれば僕がMRをやっている時は「お茶込みで2000円以内に抑えろ」と上司から言われていました。
他メーカーのMRに話を聞くと会社によっては「お茶込みで1500円以内に抑えろ」と言われているところもありました。
従って弁当の値段に関しては製薬会社によってルールが違いますしもっと言えば上司によっても変わります。
なぜ説明会時に弁当を提供できるのか
これはMRが説明会をやる時間が医療関係者のお昼の時間と被るためです。
医療関係者のお昼休みの時間に説明会を行うということは医療関係者の食事の時間を頂いていることになります。
従って「MRは食事(弁当)を提供してもいいよ」というのが基本的なルールになります。これはすごく合理的な考え方ですよね。
弁当にまつわる問題
弁当の値段が高い
2000円の弁当なんて普段は食べないですよね。
例えば某弁当チェーンであれば500円くらいで弁当一個買えますしちょっといい弁当食べてもせいぜい1000円くらいです。
もともと説明会時の弁当はあくまでおまけみたいなものであるのが本来の考え方です。メインは説明会です。
これが実際には説明会の内容よりも弁当の内容の方が重要視されています。
僕もMRをやっている時は弁当を提供することがメインになっていたこともありました。2000円の弁当はやはりインパクトが強かったです。
得意先によっては説明会の内容よりも弁当を楽しみにしているところもありましたね。「この弁当を持ってきて」と指定されるケースもありました。
だから今後値段に関しては上限が下がる可能性は大いに考えられます。
弁当によって処方に影響が出るのか
弁当の提供回数や弁当の質によって処方に影響が出るのかどうかについて僕なりの意見を書きます。
出した答えは「影響する製品もある」です。
いくらいい弁当を提供したとしても結局新規採用にならなかったり売り上げが変わらなかった医療機関も実際にありました。ただ弁当の提供によって処方が増えた医療機関も実際にありました。
それぞれまとめると
- 処方が増えたケース→薬剤の評価が低い
- 処方は変わらなかったケース→薬剤への評価が高い
これに尽きます。
結局薬剤への評価が低ければ弁当をいくら提供しても変わりませんでした。一方で薬剤への評価が高い場合は弁当によって少し売り上げが増えましたね。
従って結局製品に対する評価次第と僕はMRをやっている時に結論を出しました。
説明会時の弁当の提供は厳しくなっている
いくらルールが変わらなくても経費がなければ弁当を提供することができません。僕がMRだった頃も説明会の経費は年々少なくなっていきました。
また説明会に参加した人のみにしか弁当は提供できません。従って当日の参加者が少なくて弁当が余ってしまった場合はMRが持ち帰らなければなりません。
このルールは以前から変わっていません。ただ監視が年々厳しくなっています。
例えば
- 説明会参加者の芳名帳を添付することが義務付けられた
- 余った弁当の廃棄は全て会社で行うルールができた
などです。
僕がMRをやっていた時はここまでのルールはありませんでした。説明会の参加者と弁当の個数があっていないみたいことは日常茶飯事でしたね。
これからはこの辺がますます厳しくなっていくと思います。
接待の規制も影響している
MRが接待を行っていた理由は大きく2つあります。
- 新規採用及び増量を期待
- 日頃のお礼
です。
新規採用及び増量を期待
これに関しては良くないですよね。医薬品の適正使用を妨げてしまいますのでね。
接待が規制されたのは接待という行為が医薬品の適正使用を妨害していると判断されてしまったからです。
だから新規採用やら増量狙いで弁当提供を続けていけばやがて接待が規制されたように弁当提供も規制させる日が来るのではないでしょうか。
日頃のお礼
これに関しては僕個人の意見ではいいと思っています。すでに薬の適正使用ができている状況であれば別にお礼の接待をしても問題はないですよね。
例えば仮に毎月大量買いするお店があったら「たくさん買っているのだからなんかサービスして欲しいな」と少し期待しませんか。そして逆にそのようなお店から何らかのサービスを受けたらそのまま継続して買い続けようと思いますよね。
このように薬を使ってくれていることへの感謝を相手に伝える手段の一つがMR営業における接待の役割の一つだと思います。
これが規制されたので日頃の感謝を伝える1つの手段が「説明会時の弁当の提供である」と僕はMRの時思っていました。だから大口先では毎期欠かさずに説明会をしていましたね。
説明会の際に弁当が提供できなくなったら
それはそれでなるようになると思います。
というのも僕は近くのコンビニで色々と品物を買いますが言葉以外のお礼をされたことは一度もありませんし望んでもいません。
望んだところで何かもらえるわけがないからです。
今は製薬会社が弁当を提供できるから医療機関もそれを期待するわけであって業界全体で弁当の提供が規制されれば医療機関側にも徐々に浸透していくと思います。
接待も規制されたばかりの時はかなり医者とMRの温度差がありましたが徐々に落ち着いてきました。
ただ説明会時の弁当の提供ができなくなった場合説明会をやらせてもらえるのかどうかは疑問ですね。
新薬の発売などで薬の説明を聞きたい場合はたとえ弁当がなくても説明会の依頼は来るかと思いますがどうでもいい製品の場合は説明会の実施はおそらく無理でしょうね。
MR活動は制限される
説明会時の弁当の提供が規制されればMR活動は制限されます。こうなった場合一番厳しいのが製品力のない製品を営業するケースです。
僕がMRをやっている時は製品力のない製品を伸ばすために主に説明会を利用していました。(弁当で処方を獲得しようという狙いです)
製品力がある製品であれば定期的に面会していればある程度伸びたので説明会を頻繁に入れる必要はなかったですね。
弁当の提供は規制される可能性が高い
実際に本来の目的とは違う目的で弁当の提供が行わているケースはあると思います。これが露骨になれば接待のように規制されると思います。
弁当提供が規制されれば医薬品の適正使用はさらに普及しますので(弁当処方がなくなるからです)今後は説明会の弁当提供は徐々に規制されていくのではないと個人的に思います。
ただ製品力がある薬はたとえ弁当が提供できなくなっても売れますのであまり問題はないと思います。
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