製薬会社は先生に社内にお越しいただいて講演をしてもらう社内講演会という政策を定期的に行っています。これについて今回は書いていきたいと思います。
社内講演会とは
まず社内講演会について書いていきます。
社内講演会はDr.を会社にお招きして専門分野の講演をMRにして頂く会です。
先生が講師となり疾患や薬の使い方さらに病院独自の取り組みなどを具体的に講演して頂くので社員にとってはとても勉強になる講演会です。
通常の講演会と違う点は聴講者が製薬会社の社員であるということです。また会場も会議室等で行われることが多くそこまで豪華な会場ではありません。
なぜ社内講演会をやるのか
これについては僕なりの意見を書かせて頂きます。
まず先生がなぜ講師の依頼を引き受けるのかというと講師という立場で講演するので正式に認められた講演料を受け取ることができます。
その後慰労会(接待)の実施が正式に認められているのでこれを楽しみにされている先生もいらっしゃいます。
ご存知の通り製薬会社の接待についてはかなり規制がかかっているので製薬メーカーが先生と飲食に行く機会は本当に少なくなっています。
ただ先生の中には飲食をしながらメーカーと話したいという考えの先生がいらっしゃるのも事実です。
僕の意見では「飲食が規制されたのは仕方がない」と思う気持ちが半分「規制がなければな」と思う気持ちが半分の50/50です。
ただこの社内講演会は何回でもできるわけではなくて回数に制限があります。もちろん経費もかかるのでその枠内ってことになります。
ちなみに規制がかかる前は先生との飲食は日常茶飯事で高級料理店に行って食事をするのが普通でした。
経費もたくさんありました。この経費を使ってないMRは仕事をしてないって言われるくらいでした。
製薬メーカーがこの社内講演会を依頼する理由の一つに慰労会をするためということがあります。もちろんそれだけではないですが。
僕が社内講演会を依頼するのは先生について知るためという目的があります。
社内講演会を実施するにあたって色々と打ち合わせをしますがこの打ち合わせの過程で僕は先生がどんな先生なのかを見極めます。
社内講演会を利用して新規採用や処方アップに繋げる
社内講演会は非常に手間と時間がかかります。
社内講演会の依頼を受けた先生は自分でスライドを作成して当日講演しなければならないので日常の診療に加えて製薬メーカーからの依頼をこなすというかなり忙しい状況になります。
従って受けてもらえるかどうかは実際に頼んでみないとわかりません。先生だけでなくMRも仕事がかなり増えます。
社内講演会時のMRの仕事リスト
□上司の許可をとる
□社員の日程確保
□書類作成
□店の予約
□会議室の予約
基本的はこんなところで要望に応じて微調整します。このように非常にやることが多いです。
多くの時間と経費を使っているので必ず成功させなければなりません。従って準備に時間をかけます。
社内講演会の際に僕が心がけていることは先生のことを知ることです。先生と打ち合わせを進めていくと先生の考え方がみえてきます。
中にはスライドの作り方や内容についてMRに相談してくる先生もいらっしゃいます。
一方で先生自身でほぼスライドを完成させる先生もいます。このようにいろんなタイプの先生がいらっしゃいます。
また社内講演会を依頼すること自体にも結構意味があります。
全ての先生に社内講演会を依頼することはできないのでこれから製品についてのオピニオンドクターになって欲しい先生に依頼するわけですね。
オピニオンドクターになることを医者の一つのステータスと感じて頂ける先生もいらっしゃいます。
製薬会社から依頼がくるということはそれなりの影響力を持っているということの証ですからね。
オピニオンドクターは薬を普及させる上で色々と手助けをしてくれる存在です。
よく〇〇先生監修などの表記があると思いますが、ここに名前が記載されている先生はオピニオンドクターです。
MRはこれらのいろんな過程を踏んで社内講演会を成功させます。
時にはなかなかうまくいかないこともありますがその分見返りは大きいのが社内講演会です。
そして社内講演会が無事終わったら慰労会で先生と色々話して、新規採用及び増量に繋げるといったところです。
何かを一緒にやり遂げた後の飲食は本当に内容の濃い飲食となりますね。たくさん運動した後の食事が美味しいように社内講演会後の飲食は格別です。
社内講演会を機にパートナーとして認めてもらう
僕が考えるMRのポジションは医療関係者のパートナーです。
先生もMRの力を最大限利用できれば診療においてこれほど心強いパートナーはいないと思います。
そのような存在になることができれば売り上げは勝手についてきますのでここを是非目指して欲しいです。
社内講演会は小規模な講演会の一つなのでビジネスの要素をたくさん含んでいます。
相手も自分もwin-winになれるように積極的に活用していってくださいね。
まとめ
僕は新人の頃からこの社内講演会を多く実施しています。普段の面会も大切ですが、こういったイベントを想定しておくと面会でやらなければならないことが浮き彫りになってきます。
お願いするかどうかはわかりませんがいつでも依頼できるように準備は進めておいてみてください。最後まで読んで頂きましてありがとうございました。ばーい。
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