今回はMRであれば薬を営業するわけですがその際に抑えるべきポイントについて解説していきます。
ポイントをおさえる前に
知っておいて欲しい点がいくつかあるのではじめにそちらをご紹介します。
まず絶対に理解しないといけないことは薬の効果です。なぜかというと薬の役割って突き詰めるとやっぱり効果なんですよね。症状を改善するために薬を飲む訳ですから絶対に効果を軸として営業してください。
意外とこの事実を忘れてしまっている人が多いです。ひたすら副作用に関するPRをしたり服薬回数をこれでもかってくらい推している人をみかけます。
その効果の後に副作用とかアドヒアランスとか薬価とかその他の付加効果があるというのが僕の考えです。
イメージは城を建てることを想像してみてください。まず城が中心にあり次に周りを固めていくと思います。薬も同じで効果が中心です。
効果
それでは一番大切な効果について解説していきます。
前提としてあるのが販売が承認されている以上効果は必ずあります。どんな薬でも効果はあるのです。
ただ対象が少なかったり、扱いが難しかったり、効き目がわかりにくかったりといろんな要素があるので効果の判断が難しかったりします。
そこで僕が大事にしているのは検査数値の改善と症状の緩和です。症状が出ないのであれば検査数値の改善をメイン訴求して実際に症状が出る疾患であれなその症状の緩和をメインに訴求します。
生活習慣病は初期症状があまりないことがよくあります。しかしそのまま放置しておくと悪化してしまい重大な病気を引き起こすのが生活習慣病の怖いところです。
従って初期症状が出ないので治療する必要性を患者さんが感じにくいことが問題です。「まだ大丈夫と思っている」といつの間にか手遅れになってしまいます。
そこで先生は検査を行ってその検査の値から病気の状態を患者さんに説明します。MRはこの検査値を自社製品を投与することでどれだけ改善できるかを先生に訴求します。
先生は検査値を下げるために薬を処方するのでどれだけ検査値が下がるのか(効果)を重要視します。
一方で風邪は熱が出たり咳が出たりと症状として現れるので辛い症状を改善したいと患者さんは思います。
先生は症状を改善するために薬を処方するので症状の改善力(効果)を重要視します。
先生は時と場合に応じて治療の目的を変えます。症状が辛いのあればそれを改善する薬を使用しますし症状が出ないのであれば検査結果を改善する薬を使います。
このようにどんなケースであれ先生が薬を投与することに一番期待していることは効果なんですよね。だから薬のPRをする際は薬の効果を相手にしっかり伝えることが重要です。
次にMRはどのように薬の効果を伝えた方が良いのかについて書いてきます。
これはシンプルに検査数値が大体どのくらいの期間でどの程度下がるのかを伝えてください。症状の場合も同様です。ただ症状に関しては個人によってムラが出るのでスコアを用いて説明することが多いです。
症状スコアというのは数値で表すことが困難な場合または測定が困難な場合に自覚症状についての質問の答えを数値化したものです。
疾患によってはない場合もあります。
また効果を伝える際にはその疾患の標準薬と比較して伝えるとわかりやすいと思います。比較対象は標準薬ではなく相手が一番使っている薬でも問題ありません。
よく使っている薬はその特性を相手が把握してます。従ってその薬と比較したデータを訴求すれば相手に伝わりやすくなります。
専門医の場合
専門医の場合は測定する検査項目が多いですし測定する機械も豊富にあるのでいろんなデータが使えます。いろんな角度から提案ができるのでしっかりと準備してください。
非専門医の場合
非専門医の場合は検査項目も少ないので使えるデータは少ないです。また測定機材も少ないのでデータは限られます。
ただ診療している疾患が多いため他の疾患とのデータを織り交ぜて訴求するといいと思います。
アドヒアランス
服薬についてです。主に一日の服薬回数と飲むタイミングです。剤型も大きく影響すると思います。
最近では1週間に1回の服薬で大丈夫な薬とか水なしで飲めるOD錠など利便性が高い薬剤が出てきます。
自分が営業する薬が服薬についてどの程度大変かをまず考えます。例えば1日1回の薬剤と1日3回の薬剤どちらが飲みやすいでしょうか。答えはご察しの通り1日1回の方が飲みやすいです。
薬の服薬には問題が色々あってその一つに飲み忘れがあります。薬って飲まないと効果が出ないので先生も苦労されているとよく聞きます。
そこで先生としてはなるべく飲んでもらいやすい薬剤(服薬回数が少なく服薬錠数が少ない薬剤)を選択します。
ただこれは一般的な話です。実際に服薬回数が多くて服薬錠数が多い薬も数多くあります。しかも評価がすごく高い薬剤もあります。
この状況から読み取れることはアドヒアランスは薬を売る上でそんなに関係ないってことです。ただ理由を説明してしっかりと飲んでもらえるような努力は必要になります。
その薬の効果を先生がしっかりと評価していればアドヒアランスは乗り越えられる壁と僕は思ってます。
先生から飲む回数が多いから使わないとか錠数が多いから使わないとか剤型が使いにくいから使わないなどの批判的な意見を聞くと思いますがこれらに共通していることはそもそも効果を評価してないということです。
効果を評価して頂ければどうやったら飲めるのかというこれからに関しての前向きな質問がくるはずです。僕の経験でも採用になった後はこのような質問は多く頂きました。
副作用
副作用も大事です。薬には必ず副作用が出ます。出る頻度や副作用のレベルもありますが受け入れがたい副作用もあります。
営業する上で副作用に関しても情報提供をするのですが出る副作用の内容、頻度、対処法、これらについてはしっかりと把握しておく必要があります。
大切なのはこれから飲み続けていく上で副作用がどの程度障害となるかということです。飲み続けていたがドロップしてしまう理由で一番よく聞くのが副作用です。
せっかく薬を処方してもらったのに患者さんがドロップしてしまったということは仕方ないケースを除いては非常にもったいないです。いかにドロップする患者さんを少なくできるかについてはMRの情報提供次第です。
仮に副作用が出ても対処法がないとなると薬剤を変更したり次は別の薬剤を使うことになってしまいますので処方量は伸びません。
MRがやることはこの副作用の情報を収集して定期的に対処法を伝えることとなぜ副作用が発生するのかを説明することです。これは本当に大切だと僕は思ってます。
薬局にも副作用の説明をして指導箋を患者さんに渡して頂くようお願いしてください。
いい部分だけ伝えるような刷り込み営業では真の信頼は勝ち取れません。ネガティブな情報もしっかりと伝えてその対処法もセットで伝えていってください。
薬価
薬価も大事です。
薬剤費って高いですから自社製品のコストメリットについても訴求してください。その際のポイントが1日薬価です。1日薬価を紹介する理由は1錠の薬価では比較しようがないです。
ご想像の通り1日1回の薬剤と1日2回の薬剤では1錠あたりで比べたら1日2回の薬剤の方が安くなります。
こんな薬が売れる
もし仮に効果が高くて副作用が出ない薬があれば爆発的に売れますよね。ただ実際にはそんな理想を叶えた薬は少ないです。
実際にある薬で売れているのは効果が良くてその分副作用も出る薬です。効果が良ければ多少の副作用が出ても致命的な副作用が出なければ売れます。
まとめ
僕が大事にしていることは先生から薬への信頼性をあげることです。そのための情報を日々収集してます。時には文献も読んだりします。
時間はかかると思いますが成果は必ず出るのでコツコツとやってみてください。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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