今回はMRであれば薬を営業する訳ですがその際に抑えるべきポイントについて解説していきます。
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1.ポイントをおさえる前に

決めておかないといけない点がいくつかあるので、参考にしてください。
まず絶対に理解しないといけないことは薬の効果です。
これはなぜかというと薬の役割って突き詰めるとやっぱり効果なんですよね。
症状を改善するために薬を飲む訳ですから絶対に効果を軸として営業してください。
その効果の後に副作用とかアドヒアランスとか薬価とかその他の付加効果があるというのが僕の考えです。
イメージは城を建てることを想像してみてください。
まず城が中心にあり次に周りを固めていくと思います。
薬も同じで効果が中心です。
2.効果
それでは一番大切な効果について解説していきます。
前提としてあるのが、販売が承認されている以上効果は必ずあります。
どんな薬でも効果はあるのです。
ただ対象が少なかったり、扱いが難しかったり、効き目がわかりにくかったりといろんな要素があるので効果の判断が難しかったりします。
そこで、僕が大事にしているのは検査数値の改善と症状の緩和です。
理由は薬を投与することに期待されていることはこの2点だからです。
それではなぜこの2点を期待するのかについて解説します。
生活習慣病は初期症状があまりないことがよくあります。
しかし、そのまま放置しておくと悪化してしまい重大な病気を引き起こすのが生活習慣病の怖いところです。
従って、初期症状が出ないために治療する必要性を患者さんが感じにくいことが問題です。
「まだ大丈夫と思っている」といつの間にか手遅れになってしまいます。
そこで検査を行ってその検査の値から病気の状態を説明します。
そこで、MRはこの検査値を自社製品を投与することでどれだけ改善できるかを先生に訴求します。
先生は検査値を下げるために薬を処方するので、どれだけ下がるのか(効果)を重要視します。
一方で風邪は熱が出たり、咳が出たりと症状として現れるので、辛い症状を改善したいと患者さんは思います。
先生は症状を改善するために薬を処方するので、症状の改善力(効果)を重要視します。
先生は患者さんが望む治療をできるだけします。
症状が辛いのあればそれを改善する薬を使用しますし、症状が出ないのであれば検査結果を改善する薬を使います。
従って先生が薬を投与することに一番期待していることは効果なんですよね。
次にMRはどのように薬の効果を伝えた方が良いのかについて書いてきます。
これはシンプルに検査数値が大体どのくらいの期間でどの程度下がるのかを伝えてください。
症状の場合も同様です。
ただ症状に関しては個人によってムラが出るので、スコアを用いて説明することが多いです。
症状スコアというのは数値で表すことが困難な場合、または測定が困難な場合、自覚症状についての質問の答えを数値化したものです。
疾患によってはない場合もあります。
また、効果を伝える際にはその疾患の標準薬と比較して伝えるとわかりやすいと思います。
比較対象は標準薬ではなく相手が一番使っている薬でも問題ありません。
よく使っている薬はその特性を相手が把握してます。
従って、その薬と比較したデータを訴求すれば相手に伝わりやすくなります。
2-1.専門医の場合
専門医の場合は測定する検査項目が多いですし、測定する機械も豊富にあるのでいろんなデータが使えます。
いろんな角度から提案ができるのでしっかりと準備してください。
2-2.非専門医の場合
非専門医の場合は、検査項目も少ないので使えるデータは少ないです。
また測定機材も少ないのでデータは限られます。
ただ診療している疾患が多いため他の疾患とのデータを織り交ぜて訴求するといいと思います。
3.アドヒアランス
服薬についてです。
主に一日の服薬回数と飲むタイミングです。
剤型も大きく影響すると思います。
最近では1週間に1回の服薬で大丈夫な薬とか水なしで飲めるOD錠など利便性が高い薬剤が出てきます。
自分が営業する薬が服薬についてどの程度大変かをまず考えます。
例えば1日1回の薬剤と1日3回の薬剤どちらが飲みやすいでしょうか。
答えはご察しの通り1日1回の方が飲みやすいです。
薬の服薬には問題が色々あって、その一つに飲み忘れがあります。
薬って飲まないと効果が出ないので、先生も苦労されているとよく聞きます。
そこで、先生としてはなるべく飲んでもらいやすい服薬回数が少なく、服薬錠数が少ない薬剤を選択します。
ただ、これは一般的な話です。
実際に服薬回数が多くて、服薬錠数が多い薬も数多くあります。
しかも評価もすごく高い薬剤もあります。
この状況から読み取れることはアドヒアランスはそんなに関係ないってことです。
ただ、しっかりと理由を説明してしっかりと飲んでもらえるような努力は必要になります。
あくまでその薬の効果を先生がしっかりと評価していればアドヒアランスは乗り越えらる壁といえると僕は思ってます。
先生からの評価が低い場合、飲む回数が多いからとか錠数が多いからとか剤型が使いにくいからなどの批判的な意見を聞くと思いますが、これらに共通していることはそもそも効果を評価してないということです。
効果を評価して頂ければどうやったら飲めるのかというこれからに関しての前向きな質問がくるはずです。
僕の経験でも採用になった後はこのような質問は多く頂きました。
4.副作用
副作用も大事です。
薬には必ず副作用が出ます。
出る頻度や副作用のレベルもありますが、受け入れがたい副作用もあります。
営業する上で副作用に関しても情報提供をするのですが、出る副作用の内容、頻度、対処法、これらについてはしっかりと把握しておく必要があります。
大切なのはこれから飲み続けていく上で副作用がどの程度障害となるかということです。
飲み続けていたが、ドロップしてしまう理由で一番よく聞くのが副作用です。
せっかく薬を受け入れてもらったのにドロップしてしまったということは、仕方ないケースを除いては非常にもったいないです。
いかにドロップする患者さんを少なくできるかについてはMRの情報提供次第です。
副作用は薬に対する信頼にも響いてきます。
副作用が出ても対処法がないとなると薬剤を変更したり、次は別の薬剤を使うことになってしまいますので処方量は伸びません。
MRがやることはこの副作用の情報を収集して定期的に対処法を伝えることとなぜ副作用が発生するのかを説明することです。
これは本当に大切だと僕は思ってます。
薬局にも副作用の説明をして指導箋を患者さんに渡して頂くようお願いしてください。
いい部分だけ伝えるような刷り込み営業では真の信頼は勝ち取れません。
ネガティブな情報もしっかりと伝えてその対処法もセットで伝えていってください。
5.薬価
薬価も大事です。
薬剤費って高いですから、自社製品のコストメリットについても訴求してください。
その際のポイントが一日薬価です。
1錠の薬価では比較しようがないです。
ご想像通り1日1回の薬剤と1日2回の薬剤では1錠あたりで比べたら1日2回の薬剤の方が安くなりますので。
6.こんな薬が売れる
効果と副作用のバランスが大事ですが、理想は効果が高くて副作用が出ない薬が売れますよね。
ただ、実際にはそんな理想を叶えた薬は少ないです。
実際にある薬で売れているのは効果が良くてその分副作用も出る薬と、効果はマイルドだが、副作用はほぼ出ない薬です。
これ以外にも売れている薬はありますが代表例はこの2つです。
7.まとめ
僕が大事にしていることは先生から薬への信頼性をあげることです。
そのための情報を日々収集してます。
時には文献も読んだりします。
時間はかかると思いますが、成果は必ず出るのでコツコツとやってみてください。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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