MRの営業で大切とされるプロセスに信頼関係の構築があります。「信頼関係を顧客としっかり築かないと商品は売れない」とよく言われますよね。
そこで信頼関係を築く目的は営業の場合最終的には商品を売ることになるのですが、その前に「自分の言っていることを相手に信用してもらうため」という最初の目的があります。
いくら良い提案をしたとしてもそもそもその提案を信じてもらわないとあまり効果がありません。
- 自分の言っていることを相手に信用してもらうこと
- 商品を売ること
2の前に1があることを忘れないでくださいね。
Contents
信頼関係を築くには
まず信頼関係はすぐに築くことができません。少しずつ信頼関係は築くものです。人にもよりますが比較的長期戦になります。
しかも信頼関係はかなり脆いもので少しの亀裂が入ってしまうとそのまま崩壊する危険性もあります。
従って慎重に信頼関係は築いていかなければなりません。
まとめると
- 信頼関係の構築には時間がかかります。
- 構築の段階では少し亀裂が入るとそのまま壊れてしまいます
では早速僕が信頼関係を築く上で意識しているポイントをご紹介します。
- 敵意をなくす
- 相手の悩みを解決できるような存在になる
- 居心地の良さを重要視する
- 裏表なく話す(接する)
- ギブしつつ相手の害にならないようにする
- 相手の言葉に的確に反応する
- 相手に合わせる
この7点です。
敵意をなくす
見ず知らずの人に出会った時におそらく多くの人は少しばかり相手を警戒すると思います。これは当然ですよね。相手の情報が何もない状態で相手のことを信用することはなかなか難しいと思います。
そこで初対面の時の相手の情報は相手の見た目だけです。事前に何かの情報を知っているケースを除いては最初人は見た目で相手のことを判断します。従って見た目は信頼関係を築く上で結構大事です。
見た目で良い印象を持って頂くために重要なことは有名ですが清潔感です。髪がボサボサよりはセットしていた方がいいですし服もシワが入っているよりは綺麗にクリーンニングに出されていた方がいいですよね。
初対面の場合は少し見た目に気を使うだけで最初の印象が良くなります。だから僕も初対面の際にはいつもより見た目に気を使っていました。
次に自己紹介などをして自分の情報を相手に開示すると思いますが最初は相手が自分に対して敵意を持たないように話す必要があります。
具体的にはできるだけ表情を柔らかくして丁寧な言葉を使ったり謙虚な姿勢で話すと相手に敵意を持たれにくいです。上から目線で話すことはNGです。かなり相手に不快な思いをさせてしまうからです。
これを意識して自己紹介をしてください。
相手の悩みを解決できるような存在になる
信頼関係を築くにはこれが大事です。
「困った時はあの人に相談してみよう」と真っ先に相手の頭に自分が浮かぶようになれば信頼されていると言っていいと思います。
それではどのように自分をアピールすれば良いかというとまずMRの場合知識の豊富さが大事ですのでそこをアピールします。
診療の悩みを解決するにはそれに関する情報を的確に提供することが重要です。従って知識をたくさんインプットしておいてすぐにアウトプットできるようにしておく必要があります。
とはいえ知っている知識を全部話すのは避けた方がいいです。必要最低限の情報を相手に提供してください。長いと飽きられます。
また話す時は自信を持って話すようにしてください。自信がなさそうに話してしまうと後で「あの人に聞いてみよう」とはならないです。
ただいい加減なことを自信たっぷりに話すことは避けた方がいいですね。後で見抜かれます。
また相手の悩みはしっかりと聞くことが大切です。曖昧な場合は適宜確認してください。間違った解釈をしてしまうと的外れな回答をしてしまうので適当に聞かないでくださいね。
もし悩みが何らかの理由でその場で解決できないのであればなるべく早く回答することも信頼関係の構築には大事です。(3日以内が理想)
また自分自身では到底解決できないのであれば別の解決策をしっかりと紹介することも大事です。「できないのにできる」と言って見栄を張るよりは素直に悩みを解決する別の方法を紹介した方が後々うまくいきます。
とはいえ顧客と信頼関係がしっかり築けていない時は顧客に悩みを相談されることはないと思います。理由は「あの人に相談しても解決しない」と思われているからです。
従って日々のMR活動で薬の情報提供をコツコツと頑張ることで信頼関係を築く必要があります。
これは地道に頑張るしかないですね。
居心地のよさを重要視する
相手が自分と話すことに対してストレスを感じないように意識することが重要です。
「威圧的な話し方になっていないか」や「適切な言葉遣いをしているか」がポイントになります。
どんなに有益な情報を相手に提供したとしても相手が自分と話すことをストレスに感じてしまうと信頼関係は築けません。
大事なことは話す内容に加えて言い方です。相手が自分と話すことを心地よいと感じてもらえるように意識してみてくださいね。
またなるべく避けた方がいいことが相手に強制することです。「◯◯をしてください」と信頼関係がまだ構築できていない段階で言ってしまうとあまり良くないです。
信頼関係が構築できていない人から「これ買ってください」としつこく言われたら嫌ですよね。信頼関係を構築できていないとそのようなことを言っても聞いてもらえないことが多いので話さない方がいいですね。
だからある程度信頼関係を構築できてからこのようなお願いをしてください。
裏表なく接する(話す)
僕も新人の頃はネガティブ情報を言うと良くないと思っていいことしか言わなかったのですがこれあまり良くないです。
本当にネガティブ情報がないのならば言わなくてもいいのですがいずれ問題となるようなネガティブ情報に関してはしっかり言った方がいいです。合わせてその理由と対処法を相手に説明します。
ちなみにネガティブ情報を言いっ放しは良くないですね。無責任と思われます。
薬で言えば副作用や飲みにくさがネガティブ情報に当たります。副作用ならば発現するメカニズムと発現した際の対処法をしっかり説明します。また飲みにくさに関してなぜ飲みにくいのかをしっかり説明して少しでも飲みやすくなる方法を紹介してください。
ギブしつつ相手の害にならないようにする
営業をしている方であれば相手にギブすることは意識していると思います。
これはすごく大切なことですがこれと同じくらい大切なことは害を及ぼさないようにすることです。
せっかくギブしても相手に害を及ぼしてしまうとせっかくの努力が水の泡になってしまいますので注意してくださいね。
不思議とギブよりも害の方が相手の記憶に残ってしまいますのでリスクが高いことはやらないかそれなりの対策を常にしておくことが大事です。
意識していれば害を与えることは少ないのでどんなに慣れてきても注意は怠らないでくださいね。
相手の言葉に的確に反応する
会話をしている中で「◯◯してください」と直接頼み事をされるケースがあります。この場合はやるべきことが非常にわかりやすいので頼まれたことを素早くこなせば大丈夫です。
ただ実際には頼まれたことだけをこなしていてもなかなか信頼関係は構築できません。そもそも信頼関係があまり構築できていない状態では相手もこちらに直接頼み事をしてくることも少ないですね。
そこで必要になってくることが会話の中で相手が何をして欲しいのかを読み取ることです。
例えば「お腹が空いた」と相手が言ったとしましょう。ここで相手は別に「何かを食べたい」と言っているわけではないです。ただお腹が空いている状態であることは間違いないので「何か食べますか」と一言聞くことが的確な反応となります。
このように意外と人は「自分の今の状態を言葉にすることは得意でも相手に何をして欲しいのか」を伝えることは控えます。
従って少ないワードからでも相手が何をして欲しいのかを読み取るスキルは営業では必須のスキルです。
このスキルを磨くには自分が提供できるモノの種類を増やすことと相手が何をして欲しいのかを想像することです。自分が提供できるモノが増えれば相手を満足させることができる確率が上がりますし相手が何をして欲しいのかを見抜ければより的確な対応が可能となります。
そして相手が何をして欲しいのかを想像する上で相手のバックグラウンドは重要な判断材料となります。
例えば「力士の方がお腹が空いた」と言ってこちらが取る行動と「モデルの方がお腹が空いた」と言ってこちらが取る行動は違いますよね。
このように人によって取る行動は違ってくるので相手のことをよく理解していないと的確な反応はできません。
もちろん自分が提供できるモノの守備範囲が狭いと相手を満足させることが難しくなります。
従っていろんな経験を積んでいろんな価値観に触れてくださいね。信頼関係の構築にはきっと役に立つはずです。
相手に合わせる
営業の基本は相手になるべく合わせることがです。具体的には相手の価値観に合わせます。
「自分はこっちの方がいいと思っていたとしても相手は違う方がいいと思っていた」としましょう。
この場合別にこちらの主張を推したとしてもそんなにいい結果にはならないので相手が好んでいる方を支持した方がいいです。
会話で合わせるだけなのでそこまで難しくはないです。人に合わせるコツは反対意見を言わないことです。
特にはうまく譲歩してこちらの意見を推す時も必要ですが基本的は相手の意見を肯定することが信頼関係構築には大切です。
僕もゴルフは最初そんなに好きではありませんでしたが、顧客が好きだったので自らプレーして色々調べて話せるように頑張った過去があります。
ただ本当に自分と合わないことは避けた方がいいです。中途半端に足を踏み入れると自分が辛いので。
付き合いは信頼関係の構築には大事
よく付き合いは数字に影響しないから意味がないと言われがちですが顧客と信頼関係を築く上では有効な方法だと僕は思っています。
確かに納涼会、忘年会、ゴルフコンペに出たからと言って売り上げは上がりませんが、信頼関係を築く上ではこれらの行事に参加するのは大切です。
なかなか普段の訪問では話せないことも話せますので余裕がある人は付き合いに参加してみてくださいね。
信頼関係を築く上でやってはいけないこと
必要以上に相手を知ろうとする
信頼関係を築いている過程でやってはいけないことは必要以上に相手を知ろうとすることです。
相手からしてみれば信頼していない人に自分の情報を話すことはあまりいいことではありません。
従って無理に会話を続けようとして相手のことを探るような質問は控えた方がいいですね。
信頼関係を築く過程では差し障りのない話題を中心に会話することが大事です。突っ込んだ話は信頼関係を築いてからにしましょう。
余計なことを言わない
会話がうまく続かないと余計なことを言ってしまうケースがあるかと思います。僕も結構苦労したのですが余計なことを言ってしまうと相手からの印象が悪くなります。
余計なことを言うくらいなら会話をいったん止めた方がいいです。その後瞬時に別の話題に切り替えることをおすすめします。
経験を積めば雰囲気でこれヤバそうという判断ができるようになるので無理に一つの話題にこだわる必要はないですね。
自分はあまり話さないようにする
ついつい自分が話したくなってしまうところですが営業の基本は相手の話を聞くことです。
具体的な比率は7:3です。
7割は相手に話してもらって自分が話すのは3くらいにするのが理想と言われています。
ただ相手がそんなに話さない場合はもう少し話してもいいと思いますが自分の話はなるべく少なくして相手が話したいことを代弁するイメージですね。
あくまで相手中心の会話が好まれます。
非現実的な提案はしない
絶対にできない提案とか現実味がない提案は避けるべきです。聞いていて面白くもないですし馬鹿にしているような印象を与えてしまうので止めた方がいいです。
信頼関係を築くだけでは不十分
信頼関係をうまく築くことができれば相手と話しやすくなったりこちらの提案を受け入れてもらいやすくなりますが営業成績を上げるには信頼関係の構築にプラスして戦略的な攻めが必要になります。
自分のことをある程度信頼してもらえたら今度は戦略を練っていきましょう。
また
- 笑顔
- 相手の行動をバレない範囲で真似る
- 会う回数を増やす
などは心理学的に信頼関係の構築に役に立ちますので合わせて実践してみてくださいね。
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